2015国際交流WS(日本) 密集市街地

墨田区の概要

  • 区の北部(鐘ヶ淵・向島・八広・京島)は、震災・戦災を免れたため、木造民家や長屋、小さな商店や町工場、入り組んだ路地といった昔ながらの町並みが手付かずのまま残されており、下町情緒溢れる地区である。一方で、中低層の建物を中心とする密集市街地が形成されていることにより、防災上の様々な課題を抱えている地区でもあり、白鬚地区や京島地区を筆頭として、様々な防災対策事業が行われてきた。
  • 区の中部(押上)は、開業から3年が経過した東京スカイツリーを中心に、下町文化と最新トレンドの融合する地区とされており、北部地区と南部地区における結節点としての機能を果たしている。
  • 区の南部(両国・本所・錦糸町)は、震災・戦災により大きな被害を受けたが、復興事業として区画整理がなされたことで、格子状の基盤を土台に中高層の建物を中心としたまちが形成されている。回向院や江戸東京博物館に加え、東京都慰霊堂・東京都立横網町公園が立地し、歴史を物語る地区である。

視察場所

  • 木造密集市街地(京島)
  • 東京スカイツリータウン・周辺市街地

木造密集市街地(京島)

  • 戦火を免れたことで数多くの木造長屋住宅や複雑に入り組んだ細街路が残存する地域。防災上の危険性が問題となり、東京都や大学などの研究機関において、全面改造型による整備を中心に検討がなされた。
  • 全面改造型による整備計画の実現性の低さを理由として、建替えの際に少しずつ無理のない範囲でまちづくりを実現させていく修復型まちづくりへと切り替えがなされ、昭和55(1980)年には住民参加方式による防災まちづくり事業が開始。
  • 生活道路の拡幅、建て替え促進、コミュニティー住宅やポケットパークの配置などが行われてきた。
  • 木密地域不燃化10年プロジェクトの対象となり、建物除去工事費や建築設計費、建築費の助成、まちづくりコンシェルジュによる建て替えについての相談、建て替え等に対する税制の優遇といった支援策が講じられている。

 

東京スカイツリータウン・周辺市街地

  • 東武鉄道の貨物ヤードとして利用されてきた土地に、東京タワーに代わる新電波塔であるスカイツリーを足元の商業施設等と合わせて東京スカイツリータウンとして建設したプロジェクト。
  • 製造業を中心とした産業が衰退しつつあった墨田区のイメージアップ、低未利用地であった押上・業平橋周辺地区の活力を取り戻す絶好の機会として期待が高まった。